沢尻エリカさんは何が不満だったのか

 

 蜂の巣をつついたようなMDMA騒動である。
 あの美貌、あの演技力、あの大役、どれをとっても凡人には真似のできない才能に恵まれていて、エリカさんは何が不満で薬に逃げたのだろうか。私には皆目わからない。
 本当に勿体ないことをしたものだ。
 ハーフだったから?
 年の差婚に失敗したから?
 小さい時から美貌で目立っていて、美貌なんか持ち合わせていない人間にはわからない何かのストレスがあったのか?
 友人の子供ちゃんが5歳の時、初めて楽器を習わせようとして音楽大学の学生に手ほどきの出稽古を頼んだ。友人が学生と約束した場所で待っていると、目の覚めるような美人のBさんが来た。
 富山県出身の女性で、美しいだけでなく、とても感じがよかったそうだ。
 ところが、Bさんと親しくなってから友人が体験を聞いたら、美人ゆえに味わう辛さというものもこの世にはあるのだと驚いたという。それは、上京する列車の中で、もうBさんに虫が付いたのである。
 厳格なお医者さんの家庭に育ったBさんは、2人姉妹で、男性について年齢相応の知識がなく、まして男の生理などは全く知らなかった。厳格な父親に怒鳴られて育ったので、男は怖いものとの認識しかなかった。北へ行く新幹線など全くない時代である。
 在来線列車の中で親切な男性が寄ってきた。ウブだった彼女は、受験で初めて上京する不安で自分のシチュエーションを喋ってしまった。バカと言えばバカなのだが。
 上野駅に着いてから、親切な男性に言葉巧みに誘われて、2人は旅館に泊まった。
 当然のようにBさんは、18歳で受験直前,その男に犯されてしまった。
 SNSもない時代、嘘のような話であるが、Bさんは男性と女性の行為の仕方さえ、その時まで知らなかったのである。
 後に彼女は都心の大きなビルの所有者である男性の会社にアルバイトに行き、30歳も年上のそこの社長の奥さんになったのだが、その時も社長はBさんの美貌を押し倒したのだろうと私は勘繰っている。顔、顔、顔。ホントに男はどうしようもない。
 沢尻エリカさんの場合は、多分、もっと強烈な子供時代、思春期時代を過ごしたと思う。
 色白のハーフは見とれるぐらい美しいので、男たちがほっとかなかったはずだ。だからといって薬に逃げるのは天下の愚か者である。
 キャリアも何もスッテーンと失った。
 報道によると、渋谷の円山町に出入りしていたクラブがあるというが、円山町は若い女性が遊びに行くような場所ではない。
 私が若い頃は、あの辺りは怖くて歩けなかった。
 通称、連れ込み宿だらけの街である。
 昔々は3本立て50円という激安の映画館があって、男友達と授業をさぼって見に行った。真っ昼間なのに連れ込み宿街を抜けるのは恐ろしく、実際、やーさんみたいな男たちから、口笛を吹かれたりして走って逃げたものである。
 そのクラブは一体どのあたりにあるのだろうか。
 動画にクラブで踊っているエリカさんが写っている。あんな場所に出入りしていたとは、繰り返すが、30歳も過ぎて、トンマだなあ。
 若い人たちは全く知らないだろうが、戦後(1945年以後)、ヒロポン中毒というのが流行った。「ポンチュー」と呼ばれて、日本人をむしばんだ。戦後の疲弊した国土の中で、食うや食わずの庶民や、外地からの引揚者や、白装束で街のそこここにいる傷病兵などの間にポンチューは蔓延した。
 辛い現実から逃れるためのクスリだったが、今の時代、何の不満があって薬中になるのか。
 最も悪い奴はまともな人をクスリの世界に落とし込む売人であるが、薬に逃げる本人たちも精神が弱すぎる。初めは好奇心からだろうが、知識が薄弱すぎる。何度も何度も逮捕される大女優の息子、何度も何度も逮捕される元俳優。体を蝕まれて廃人になるとは思わないのだろうか。もっと啓蒙しなければならない。
 私は1度だけモルヒネを打たれたことがある。
 ある外科手術後の痛み止めの飲み薬が効きすぎる体質だと申告したら、いきなりモルヒネを打たれたのである。
 個室でズッドーンとひっくり返って起き上がれなくなった。
 姿勢を正そうとベッドの上で這いずっていたら、今度はベッドの横からズッドーンと床に落ちてしまった。そのまま失神!
 とにかくこういう種類の注射は怖い。
 怖いもの見たさで、若い人たちは近寄ってはならない。廃人になるよ。
 てんやわんやのNHK大河ドラマに、そのまま沢尻エリカさんを出演させたらいいと、さも前衛的だと錯覚した言質を弄しているバカコメントマンがいるが、冗談じゃない。
 子供たちに教えなければいけない。
 麻薬のたぐいは、国を滅ぼし、人間を廃人にし、カッコイイなどと錯覚してはいけないと、教育しなければいけない。
 自局のスタッフたちが、使う役者の身辺調査もしないで配役したのであるから、自業自得である。自分たちでツケを払わなければならない。
 話題性だけはCMの何倍もの大効果である。
 代役の美しい女優さんを期待する。
 クドカンだかナンだか知らないけど、若者に媚びて大失敗した『いだてん』の後だ。
 素敵な長谷川博己さんの主演になる正統派時代劇『麒麟がくる』を待っている。
 間違ってもクスリやフリンやツカイコミなんかない人を出演させておくれ。