屈辱の巨人と阪神、どっちもどっちの惨め鳥

 

 20日、日曜日の午後、BS日テレで東京ドームの読売巨人対DeNAベイスターズの試合を見ていた。前日に出かけて草臥れていたので、最初は昼食後でお腹がいっぱいになり、いささかウトウトしながらだったのだが、初回でいきなり、目がぱっちり開いてしまった。
 1回の表で、4番の筒香嘉智選手が、早々とツーランホームランを打ったからである。相手のピッチャーは今期FAで、西武ライオンズから移籍してきた野上亮磨投手である。筒香は調子が上がってきたとはいえ、ついこの前、5打数無安打ということもあった。この日は様子が違う。相変わらず無表情だが。
 巨人も近頃はよく打つので、まだまだ1回の表、このツーランぐらいではどうということもないと思っていた。しかし、この試合、巨人ファンには悪夢のような花火大会になったのである。
 私はアンチ巨人の阪神ファンであるからして、巨人の悪夢は痛くもかゆくもないのだが、余りにド派手な試合だったから、知人の巨人ファンの顔を思い出して書く気になった。
 結果からいうと、巨人対横浜は2対10の一方的な試合になった。中でも筒香が3本ものホームランを打って4打点、その他、1番の梶谷隆幸と3番ロペスと、5番の宮崎敏郎も1本ずつ、合計6本のホームランが乱れ飛んだ。巨人ファンは飛んで行くホームランボールをわが庭で、口を開けて見送るという屈辱的な試合になったのだった。
 ひと試合に敵に6本ものホームランを打たれるのは珍しい。ホームランが出やすい東京ドームとはいえ、味方の2本を加えると合計8本の花火とはめったにないことである。
 9回の裏、1点を加えた後、絶望的な負け試合を見ているベンチの阿部慎之助選手の顔が、何ともいえず惨めそうな表情をしていたのが印象的だった。そりゃそうだろう。この時点でセ・リーグ2位の自分のチームが、4位のDeNAにボロクソにやられているのだから、惨めだったに違いない。
 相手方のピッチャーはアメリカから来たウィーランドである。制球もテンポもよかった。このピッチングと6ホームランでジャイアンツは粉砕されてしまった。横浜は今期の貯金が1となった。
 この横浜の打力は本当に羨ましい。羨ましくて仕方がない。
 惨めなのは巨人ばかりでないからである。
 惨めの2乗はわが阪神タイガースだ。この日、ナゴヤドームで行われていた中日対阪神の試合で、こっちはたったのヒット5本で1点とるのがやっとなのに、相手の中日ドラゴンズには15本もヒットを打たれた。
 なかんずく、相手のピッチャー、松坂大輔くんにまでスイスーイと2本もヒットを打たれる始末である。トホホホ。
 言っちゃ悪いが松坂大輔くんはお年寄りのポンコツ寸前ピッチャーだったのだ。辛うじて中日に拾われて、先日の1勝した時なんか、スポーツ紙が1面にもってきて大騒ぎしたほどなのに、その投手を、打てない。
 近頃の阪神タイガースは12試合連続でヒトケタ安打だ。打てない打てない打てない打てない。打線を組み替えてもどうやっても、打てない。
 「歌を忘れたカナリヤ」でなくて「打ち方忘れたダメトラ」である。
 今シーズン初めの頃は打撃のベストテンに福留さんや糸井さんら、クリーンアップが3割台で複数名前を連ねていたのに、今は福留さんが0.254、糸井さんだけが0.302で辛うじて10位、ロサリオに至っては一時は4番を打っていたのに、たったの0.232だって。お前、クビだ!
 このロサリオ君、オープン戦の時は天才のようにいわれたのに、シーズンが始まるとさっぱり駄目だった。ホント、阪神タイガースはロクな外人を連れてこない。上の方の方々の頭が悪いのか、ここ数年ではマートンぐらいしか思い当たらない。こら、スカウト、どこに目がついてるんだ。
 金本監督の選手起用も腑に落ちないことがある。
 先日の試合で、3振ばかりする江越大賀を1番に起用した。とにかく、江越は目がボールから離れていて、打てる気がしない。素人の私が見ていても下手くそである。
 「こいつは1本も打てないよ」と私が予言した通り、3振、3振、また3振で終わったのだ。コーチはいったい何を教えているのか。
 こら、ヘッドコーチの片岡篤史さん。
 結局、松坂大輔くんにひねられて、阪神タイガースは1対6のスコアで中日ドラゴンズに完敗した。然り伺候して、屈辱の5位転落だ。そのうち、最下位のヤクルトスワローズにも負けたりして。
 4カード連続の負け越しで、つける薬なし。
 まだ5月だというのに、「つるべ落としの秋の夕暮れ」みたいな阪神の転落模様で、プロ野球ファンの私としては、毎日が憂鬱である。なんで広島カープはあんなに強いのか。格別に選手1人1人が優れているとも思えないのに、試合になると俄然力を発揮する。
 この違いは何なのだろうか。
 6本の花火大会(ホームラン)でやられた巨人より、じわじわと打力が落ちてきた阪神の方が、ずっと事態は深刻である。
 おいっ、金本!
 何とかしろ!