人間の脳がおかしくなるゲーム依存、人類を滅ぼす?

 

 数日前の事である。昼間に所用で山手線に乗ろうとしてホームドアの前で待っていた。私が最前列だった。
 電車が来てホームドアが開き、続いて電車のドアも開いた。
 屈強な大柄の男性2人と、これまた大柄の女性1人の、計3人がくっついて並んで降りてきたのだが、みんな30代位のサラリーマン風である。
 私は小柄なのでデッカイ男性の胸辺りに顔が来る。近頃は高いハイヒールを歳のせいで履かなくなったので、もろ、相手のボディが目の前だ。
 この時は、こともあろうに男性2人と女性1人の全3人が、揃いも揃って右手にスマホを持ち、その画面を見ながら降りてきたのだ。つまり、彼らは全く前を見ていなかったのである。電車からホームへ渡るのであるから、スマホ画面を見ていたら危険じゃないか!
 お陰で、私はスマホしか見ていない彼らのせいで前に進めなかった。
 危ないじゃないか!
 頭に来たので、男性と女性の間に両手を入れて、分けるように肘鉄をくわえてやった。それでも彼らはスマホから目を離さず、ホーム上を画面を見ながら歩いて行ったのだ。
 なんで電車の中でまでスマホを見なくちゃならないのだ。空いている車内では座っている人の10人が10人、スマホを見ている。
 近頃は白髪のじいさんやおばあさんまで、ガラケーやスマホに釘付けである。
 以前はマンガ本だった。禿げ頭や白髪のおっさんまで、活字や新聞ではなくマンガを読んでいたので、何度か私はエッセイでからかったが、今はすべてスマホである。
 横目で覗いてみると、昨日の左隣りは初老の紳士で、誰かとLINEで会話していた。右隣りは壮年の男性で、チカチカと動くゲームをしていた。電車の中でさえLINEで繋がっていないと人間関係が保てないのか、バカめ。
 正に今の日本の現象は「1億総スマホ中毒」である。
 大宅壮一さんが生きていらしたらなんと表現なさるだろうか。
 スマホといっても、電子書籍を読んでいる人がいるかもしれない。でも私が注意して観察した限り、ほとんどがゲーマーである。
 数年前の夏、あるテレビの審査でご一緒した元キー局の有名プロデューサー(後期高齢者の方)が、私に得々とスマホ自慢をした。私がSNSやPC関係に詳しくなく、機械音痴のオバサンだと思っていたのだろう。
 自慢じゃないが、私は女だがメカに強い。しかも、新しもの好きで、アイパッドが出て時にもイの一番に買ったし、PCは何台目が覚えていないくらい新バージョンを買っている。
 今年も2台買い替えた。
 その私にである。「これがスマホの最新型ですよ」とでも言わんばかりに自慢げに自分のスマホを見せて、「今、ポケモンが・・・」と言いかけたのだ。
 すかさず私は言ってやった。「これですか」。
 とっくに私はポケモンのアイコンを取り込んであったのだ。彼はビックリして、「見せて見せて、やらせて」だって。私はゲーマーではないので、目の前でスマホをしまったのである。誰が貸してやるか、自分でインストールしろ!
 スマホ中毒は白髪頭のおじいさんの脳まで侵食しているわけで、嘆かわしい。
 世界的にゲーム脳の問題は心配されている。
 半年以上前に世界保健機構(WHO)がゲーム障害を依存症の1つと認定した。
 これに伴って27日に国立病院機構・久里浜医療センターが発表した調査によれば、1日6時間以上ゲームをしている10代~20代の過半数が昼夜逆転の生活を送り、2割が引きこもりの状態にあるという(毎日新聞、11月28日朝刊)。厚労省が同センターに委託して調査した結果では、ゲーム時間が長いほど依存傾向が強い。
 「学業成績の低下や仕事の能率低下」があったのはゲーム平日1時間未満の人は5%なのに対して、6時間以上の人は29,8%であった。
 また、「計6カ月以上、家に引きこもっていた」人は1時間未満が0.2%、6時間以上が22.3%だった。即ち、長時間のゲーム依存が成績の低下や引きこもりを促進するのだ。明らかに脳に異変を生じさせるわけである。
 子供の頃に脳に悪影響を与えられた人間が、どんな大人に成長するか、今まさに、人体実験が行われている途中なわけである。恐ろしい。
 めちゃくちゃ論理が飛躍するが、私の独断的感想では、近頃の「変な犯罪」、ちょっと昔だったら考えられなかったような刹那的殺人や傷害事件は、「キル(殺人)」の数を競い合うようなゲームにのめりこんだ人間の仕業ではないかとさえ思えるのである。
 ゲーム依存が高じると、人間関係が壊れ、心身の健康を害し、ゲームの課金によって金銭トラブルが起きやすくなると報告されている。
 最後に私が聞きたいのは、スマホのように小さな画面でチッチッチとやって、何が面白いのかということだ。私はゲームには全く関心もエクスタシーも感じない。誰か教えて。
 アイパッドが発売された時に、1番難易度が高いといわれる麻雀ゲームを課金を払って取り込み、1人で遊んでみたが、麻雀の達人(エヘン)である私は、あっという間に制覇して、勝ったのである。最後に赤いオープンカーに乗った人が、負けて閉口して逃げて行ったので、それで終わりだった。つまんねえの(笑)。
 国として、このスマホ依存の激増は由々しき問題である。
 依存症を施設に入れるだけでなく、子供たちの依存症予備軍に根本的解決方法を、誰か識者に考案してもらいたいものである。
 わが孫ちゃんは10歳にして、ゲーマーでは決してないのに、片方の視力かすでに0.2である。今の子供はPCまで小さい時からやらねばならず、目を悪くする。
 文明の利器の恩恵にあずかりながら、これらは下手すると悪魔の利器にもなる。