一寸先は闇――巷で出会った政治家が・・・

 

 民主党政権時代、わが家の法事を鎌倉のJ寺で行った。夫が長男なので、弟2人の家族と一緒に両親の〇回忌を纏めて執り行ったのである。菩提寺は夫の出身地である関西なので、家族が集まりにくいとして、急遽、J寺が菩提寺である友人の紹介でここに引き受けてもらった。(1度書いたことがある)。
 この日は朝から土砂降りで、法事自体は滞りなく無事に進んだのだが、場所を代えて精進落としの会食のために、予約してあった料理屋へ移動する時から、余りに雨勢が酷いので難儀この上なかった。
 とにかく、バケツをひっくり返したような土砂降りである。昔々英語で習った「 It rains cats & dogs. (雨が)土砂降りに降る」の慣用句通りの土砂降りで、不祝儀の衣装もびしょぬれになったのである。
 きっと、常日頃から法事などにはあまり関心がなくて冷淡な長男の夫が、親のために法事を主催したので、天国にいる義父母が大いに喜んで、「これは涙雨を流しているのに違いない」と私は密かに思った。
 有名な精進料理の店の゛鉢の木゛に移動して会食になった。
 木造の、ちょっとガタピシした2階で宴が始まり、料理も中々美味しくて皆で盛り上がった。小さい人たちが非日常に興奮して大騒ぎして楽しかった。
 しばらくしてから、鎌倉在住の私の大学以来の友人が顔を出してくれたりして、1階と2階を行ったり来たりしていると、1階の雰囲気が普通ではない。なんとなく料理屋の従業員の態度がピリピリしているのである。ハテ?
 仲居さんが「早く用事を済ませて2階に戻れ」という風に手を振るので、「何かあるのだ」と気付いた。聞こえてきたのは「政府高官が来る」だった。
 SPを連れて玄関に現れたのは、時の政府の重要人物・民主党(当時)の前原誠司さんだった。私はすれ違いで2階に戻っていたが、出会い頭に玄関で遭遇した夫は「背が高くてカッコよかったよ」と言った。夫も年齢のわりにスリムで背が高いので、よほど目立つ人だったのだ。
 奥の部屋で、前原さんの友人の関係者の結婚式に主賓で招待されて来ていたのだそうだ。ニコニコして感じがいい人だったと夫は言った。
 「しまった。1階にいれば見られたのに!」と私は悔やんだ。何故なら、私の従兄に同名同文字の「誠司」がいて、前原さんがマスメディアに登場した時から、なんとなく気になっていたからである。
 従兄の誠司は若い頃、すこぶる美男子だった。
 政権を降りてからの民主党は民進党に名前を代えても低迷し、脱党する議員も次々に出て、終わりだナと思わせた。蓮舫さんが党首になった頃から、野党なのに溌溂とした闘争心が薄れてきて、ぼんやりしてきた。そこに彼女の2重国籍問題が、あたかも法律違反のように報道されてイメージが益々悪くなった。蓮舫さんの罪でもないのについてなかった。
 しかし、私は基本的に女の政治家を信用していないので、党としての人気下落は予想通りであった。鉄の女・サッチャーさんのような人は日本では出まい。
 ついでに言うと、小池百合子さんも私はあまり高くは評価していない。どうしてかというと、人気はあるが、彼女は築地と豊洲問題もうやむやのままで時間ばかり経ち、この1年でどんな業績を挙げたのかさっぱりわからないからだ。権力を握るとイエスマンに囲まれてアンテナが鈍ってくるのだろう。
 ところがビックリ仰天。
 昨夜あたりから、前原さんが民進党の解党(?)と小池さんの「希望の党」への合流を唱え、なかんずく、後ろ足で砂をひっかけて出て行った細野豪志さんが、希望の党の役員然として会見の真ん中あたりでエバっている図を何度も見せられたから、ビックリのし通しだ。
 前原さんは「合流」と言い、小池さんは「合流じゃありません」と言い、なんか1人ひとり首実検するという。小池さんの態度のデカいこと!
 まことに「政治の一寸先は闇」である。
 民進党の議員たちの公認問題がこじれてマイナスイメージが喧伝されたら、またまた前原さんの計算が瓦解する。党を潰した最後の党首としてのみ名が残る。これも「一寸先は闇」である。
 今回のドタバタがどういう風に落ち着くのか予断を許さないが、1つ確実なことは、どんな議員も考えているのは自分の当選のために、何が有利かという自己中心理だけである。ニッポンの明日のために、なんて大義名分は建前だけ。自民党の意味不明なこじつけ解散理由も自己中心理で、敵失の間に寝首を掻こうということだった。選挙民など置いてけぼりである。
 安倍晋三さんの目論見はまんまと計算違いだったので、大向こうの選挙民にとっては面白くてたまらないが。これからの1か月近く、賑やかなことだ。
 映像で早速、1人で街頭演説している失業(?)議員を映していた。
 下町で商店のオヤジと会話している民進党離脱者の柿沢未途さんである。彼はわが息子と中高時代の同期生で、都議になったり国会議員になったり、民進党になったり希望の党になったりと忙しい人だ。有名だった故・柿沢弘治議員のご子息である。父ちゃんもいろいろと政界を渡り歩いたので、DNAかな。
 10月22日に衆議院の政党地図がどう変化しているか。
 私は右翼でも左翼でもない。自分の座標軸のままに個別に物事の選択をするので、流動を静観したい。ただ、この5年間の安倍さんの頭の悪いやりたい放題だけは終わりにしたいので、対抗軸ができて、新しい地図が誕生することを望みたい。旧態依然の自民党だけは願い下げである。