猛暑にバテ、頭痛はするし、食欲減退。抜けるように青い真夏の空の思い出

 

 8月の上旬から15日の終戦記念日にかけて、一連の戦争に関する記念の日々が続き、例年、テレビ界では(主としてNHKだが)第2次世界大戦関連のドキュメンタリーが多く放送されて、私はその視聴で忙しい。
 今年はドラマまでが放送された。
 12年ぶりに岸惠子さんが主演した『マンゴーの樹の下で~わたしはこうして地獄を生きた』(NHK総合 8月4日)である。中々の力作だった。
 激戦のフィリピン・ルソン島にタイピストとして渡った奥田凛子(岸惠子、清原果耶)の、地獄の行軍と内地に引き上げてからの戦後を描いている。
 フィクションと断ってあったが、多くの体験記から取られたものの再構築であろう。この年代の日本人は、多かれ少なかれ戦時中に悲惨な体験をしている。
 私の家では年齢的に父や兄たちの誰もが赤紙には引っかからなかったが、それでも、わが家は4人兄弟の下の2人が、縁故疎開で田舎に移住した。私は末っ子だ。
 外では、言葉のイントネーションが違うといって悪ガキに苛められるし、疎開先では楽しいことは1つもなかった。基本的に私は都会っ子で、田舎が大嫌い。地方に行っても、帰京するときに新宿の喧騒が見えてくるとホッとする。これは幼いころの疎開生活のトラウマが今に尾を引いているのである。
 疎開先では農家の離れを借りて、1族郎党の疎開組が1部屋ずつに寿司詰めで生活していた。だから、プライバシーなど全くなく、神経質な私は親戚筋の大人と、襖を隔てただけの生活が死ぬほど嫌だった。
 このトラウマは今でも引きずっていて、夢の中で、いつも誰かが近くで喋っている。知らない大人の声が聞こえるのだ。不安と嫌悪の情が自分の心をさいなみ、ハッと目が覚める。
 今の私の寝室は完全防音で、何の音も聞こえないのに、夢の中ではすぐ近くで知らない大人の声がする。それもたった1人の私に対して、向こうの声は複数で賑やかなのである。気味が悪いし、聞き覚えのない声ばかりである。
 両親も亡く、残った兄弟も遠くにいるので、この話題は誰にもいえない。生来朗らかで明るい夫にはニュアンスが理解できないと思うのでいわないし、勿論、孫や子に過去の話などしたこともない。こうして、戦時中の体験の伝承は薄れてゆくのである。
 私は物書きなので、昔のことを書き残すべきだとは思うが、何しろ日々忙しい。
 昔は「老後になったらアルバムを整理して、音楽を聴いて過ごそう」と思っていたのに、とんでもない。いくつになってもヒマにならないし、年がら年中仕事に追われている。終活なんか、何時できるのやら。
 8月6日の広島原爆記念日に、朝から式典のテレビ放送を見ていたら、わが国総理大臣の挨拶文が、余りにも心がこもっていない空々しい紋切り型だったので情けなかった。彼は全くの戦後生まれであるから、理解できないのだろうが、想像力の欠けた人なので、心がこもった話なんか出来っこない。
 私は原爆被害者でもなく、家族に戦死者もいないけれど、心情としてこの時期はこうべを垂れる。そういうシンパシーがあの方には欠落していると思う。
 ある企業の偉い人と話をした際、「彼は頭が悪いから、未体験のことに想像力なんか働かせる能力がない。無理です」と諦めたように言った。国民の不幸である。
 疎開先で、8月15日から数日過ぎてから、大人たちが「戦争が終わったらしい」と話し合っているのを聞き、ませた子供だった私は、なぜかその頃の抜けるように青い真夏の空を見上げた記憶がある。
 当時は光化学スモッグもなく、中国大陸から飛んでくるPM何とかもなく、ただひたすら真っ青な空だった。東京の白っぽい青空とは全く違う哀しくなるほどの深い青だった。そのくせ、真夏の酷暑といっても今のように耐えがたくはなく、朝夕は涼しく凌ぎやすかったのを覚えている。
 今は地獄の酷暑である。
 1日中冷房の中で仕事をしているが、気持ちが悪い。頭痛がする。食欲がない。
 全身倦怠で、ちょっと頭を使うと異様に疲れる。
 それでも、朝から晩まで頭脳労働と肉体労働(家事)に追い立てられている毎日だ。
 原爆記念日と原爆記念日、つまり6日の広島と9日の長崎の間の7日に、朝から夜まで来客があった。彼らとお茶を飲み飲み音を消したテレビをつけて雑談していたら、あらら、例の官邸での小泉進次郎さんと滝川クリステルさんの結婚・妊娠記者会見が始まった。
 私は芸能ニュースに関心が薄い方で、バラエティもほとんど見ないが、この2人は見知っていたからビックリ仰天。大向こうの超好意的な「おめでとう」礼賛がこれでもか。
 美男美女で、政治家のサラブレッド家のご出身男性と、ハーフのキャリアウーマンのカップルは眩し過ぎだけど、驚いたのは「期前通用」だったこと。安定期だって。
 ははあ、純粋培養でウブだった男性の方が、3つも年上のしたたか女性に、まんまとしてやられたなという感想である。なんで突然この話かと言えば、官邸でばらした日にちが、「広島と長崎の間」を意識したと誰やらが解説していたからである。原爆を避けたのだ(?)。
 イチローさんの姉さん女房についても感じたが、したたか女性は計算高く狙っているのだ。「ほわーんとした人」と言われていても、女のお局さん年代は高望みして狙っている。
 「期前通用」で事実を作ってしまえばこっちのもの。3つも年下の男性なんかちょろいのだ。クリステルさんには別に有名なお泊り男性がいたのであるから、虎視眈々と次なるターゲットを狙い撃ち、それがまんまと成功したのだろう。
 育ちのいい進ちゃんなんか、ちょろいもの(失礼)。
 どうでもいいけど、余りの礼賛礼賛で、ちょっと意地悪ばあさん部分が出てきた。
 終戦直後の、あの抜けるような真っ青の空のように、1点の曇りもないお幸せ人生をお築きくださいませ。
 老兵(?!)は消えゆくのみ。私、マッカーサー元帥じゃないけど(笑)。